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挨拶 [星景写真]

                     「帰宅」
帰宅

                             栃木県小山市美しが丘  2018年8月上旬








先週の半ば自宅前で最接近を過ぎた火星の星景写真を撮ったいた時の事である。
撮影中、一台の自転車が緩やかに自分の前を通り過ぎて行き、自転車を運転する男性に「こんばんは」と
軽く挨拶をした。写真を撮る自分を見ながらの通過だったので、ついでな感じで挨拶を交わした。
しかし自分の挨拶に対しての返事は何も無く、自分を見ながら無言のままで通過して行った。
先月31日の火星最接近の夜に、同じ様な星景写真を撮った時も、自転車で通り過ぎる男性に挨拶を
交わすが何も返事が無く通り過ぎて行き、今回も多分その時と同じ同一人物と思われる。
その男性は、前回と同じ様に通り過ぎて自分の視界から消えて行くのだろうと思ったが、今回は自分から
10mくらい離れた所で自転車を降りその位置から自分を見ているのであった。
自宅の周りは、街灯や近所の玄関の明りが少しあるだけで十分明るいとは言えず、その男性の表情は
明確には分からない。殆ど分からないと言って良い程だった。
明らかに写真を撮っている自分を見ているので、その男性に「こんばんは、あの何でしょうか?この家の者
で今星の写真撮っています」と問い掛けたが、無言のままで特に返事は返って来ない。
十分に明るい光が無いのでその男性の表情が分かり難く、この男性若しかすると自分に何か反感でも
あるのかなと思うと、今から15年以上前にアパート暮らしをしていた頃のある事を急に思い出した。
それは、その当時隣の部屋の住人に「何でお前は俺にいつも挨拶なんかするんだよ!何で挨拶されなく
ちゃならないんだよ!もう挨拶なんかするんじゃねーよ!!」と激しく詰め寄られた事であった。
そんな事を思いながらその男性を見ていると、再び自転車を漕ぎ始めて暗い自分の視界から消えて行った。
その男性何か自分に何か聞きたかったのであろうか?暗かったせいか険しい表情にも思えたが、15年前の
時のあの男と同じ様な事が言いたかったのでは?と思うのは止そう。

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