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オリオン座の二つの星 [天体写真]

                     「輝くオリオン」
輝くオリオン








前記事の続きでオリオン座の二つの星ついて記します。一つは冬の大三角を構成するベテルギウス。
もう一つはベテルギウスの対角線下に位置するリゲルについてです。
ベテルギウスはオリオン座のα星(その星座の中で一番明るい星)で、リゲルはオリオン座のβ星(その
星座の中で二番目に明るい星)となっています。しかし実際の明るさは、リゲルが0.13等でベテルギウスが
0.8等とリゲルの方が後者を上回っています。なのにリゲルがオリオン座の中で2番目に明るい、オリオン座
のβ星なのです。
それがどうしてかはさて置き、二つの星の実際は天文学上とてつもない位凄い恒星なのです。

まずはベテルギウス。本体の実際の大きさその直径は、最大で太陽の1000倍もあって当恒星を太陽の
位置に置いたとしたら、火星の軌道を超えて木星の軌道近くまで達するという超巨大さです。
そんなベテルギウスは、写真で見ても目で見ても赤い色をしていて「赤色超巨星」と呼ばれています。
そしてリゲル。この恒星の何が凄いのかはそれは実際の明るさでして、実に太陽の8万倍以上の光度が
あるという、とてつもないエネルギーをリゲル本体から放出して宇宙空間に輝いています。
また最近の研究報告では、太陽の28万倍に及ぶという数値も出ていて、銀河系内において肉眼で見える
最も明るい恒星の一つであるようです。
そんなリゲルは、写真で見ても目で見ても青い色をしていて「青色超巨星」と呼ばれています。

そんな二つの恒星が、我々太陽と入れ替わっていたら我々地球は人類はどうなっていたでしょうか?
若しベテルギウスだったとしたら、昼間の空全体360度はベテルギウスの表面に覆われて青空の欠片
さえも見られない空になったでしょう。そんな空だとしたら人類は、空を見上げてみて何の浪漫も抱く事は
ないのかと思います。
またはリゲルだったとしたら、太陽の8万倍の強烈な光に晒されて生命の誕生は有り得なかったでしょう。
まして一方では28万倍です。リゲルから降り注ぐ放射線の量なんて太陽の比ではないはずです。
そんな事を思うと地球は太陽で良かったとなりますね。


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